最終更新日:2024年5月10日
午前中眠くて仕方ない人へ 有効な治療薬!?
当院にも、午前中の倦怠感、眠気でお悩みの患者さんが訪れることがあります。
午前中の眠気に関して言えば、過眠症や、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム睡眠障害などの睡眠障害。
うつ病、適応障害などの精神疾患と一症状として、また、ADHDの方の一傾向として現れる事があります。
そして、その中の概日リズム睡眠障害の治療として、ある薬剤の有効性のメカニズムが解明されました。
その薬剤は、アリピプラゾールです。
双極性障害やうつ病、統合失調症の治療薬として使用されているお薬です。
概日リズム睡眠障害とは
概日リズム睡眠障害とは、読んで字のごとく、睡眠リズム(サイクル)が乱れることです。
特に問題なのが、睡眠相後退症候群です。
睡眠サイクルが、後ろ倒しになることで、寝つきが悪く朝寝起きが悪くなります。
この事で、午前中の眠気が残り、日常生活への支障として現れます。
アリピプラゾールが有効であるメカニズム
この睡眠相後退症候群に対して、筑波大学、櫻井教授の研究グループが、アリピプラゾールが有効であるメカニズムを解明されました。
櫻井先生は、私の出身大学の先輩で、大学院生時代何度かお世話になった先生です。
睡眠相後退症候群は、間脳視床下部視交叉上核(SCN)が影響していると考えられており、アリピプラゾールがSCNに作用する事で、効果を認めるとの事です。
う~ん、書いている本人も難解で理解するのに時間がかかる内容ですが・・・・
睡眠サイクルと光の関係
私でもわかるように説明すると、睡眠サイクルには、光が大きく関係しています。
人は光を浴びることで、睡眠サイクルを作っているメラトニン合成に影響を及ぼし、眠気が下がるシステムを備えています。
つまり、光を浴びたり(朝を迎える)、逆に浴びなかったり(夜を迎える)する事で、睡眠サイクルを自然に作っています(明暗サイクル)。
そして、アリピプラゾールが概日時計中枢に作用して、明暗サイクルを改善する効果がある。
そのことで、午前中の眠気改善効果が期待されるという事です。
何となく、そこはかとなく、微妙に分かった気がしませんか?
とにもかくにも、午前中の眠気で困っている患者さんへの一助となれば嬉しい限りです。
櫻井先生、激リスペクトです。
※本掲載内容を許可なく転載することを禁じます
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