最終更新日:2004年10月21日

肥満について

日本では肥満の占める人口の割合がこの20年で約2倍に増加している。
特に増加率は男性で目立ち、女性ではダイエット志向により増加率は緩やかである。また小児の肥満は男性同様に増加が著しい。私も校医をしているが、1クラスに5~6名は肥満児が占め、我々が小学校の時代(約30年前)に比べ、増加している印象を受ける。学童の肥満児の約3部は成人になっても肥満は解消されないとする報告もある。肥満者は高脂血症、高血圧、睡眠時無呼吸症、癌、糖尿病などの生活習慣病を併発する可能性が非肥満者よりも高く、小児期においてもこれらの合併が起こる可能性もある。成人肥満への移行を防止するためにも、小児期の肥満者をその成長に影響を与えずに減量を勧めていくことも今後の課題となってくるであろう。
日本人は極度の肥満者は欧米に比較して少ない。軽度の肥満であっても生活習慣病を併発しやすい特徴を有するとされている。このことは日本人が民族学的に肥満関連遺伝子を多く有しており、さらに食生活の欧米化という環境要因が関与しているためであろう。現段階では肥満症の治療は食事、運動療法であり、将来は遺伝子診断および治療も期待されるだろう。
食事療法としては、カロリーを減らす減食が中心になる。カロリーとしては男性1600kcal、女性1400kcalとし、栄養素の配分は蛋白質25%、脂肪15%、糖質60%が適切である。またビタミン、食物繊維、ミネラルも十分に摂取する必要もある。しかし具体的に指示をしても、肥満は食行動と関係するため減量が困難な場合が多い。3食規則正しく食べること、夜食・間食はやめる、早食いはやめる、盛り付けを一人ずつにする、茶碗を小ぶりにする、などを合わせて指示すべきである。
運動療法としては、一人でいつでもできる運動をするべきであろう。「時間がないから無理」とすぐさま返答される方もいるが、誰でも15分くらいの時間を作る努力はできる。一般的にはウオーキング、ジョキングといったスポーツがあり、週2-3回は行う必要がある。継続するこつは、日々のコースを変えることや仲間と一緒にすること、慣れてきたらタイムを計って競い合うことがあげられる。目標が達成できたら、普段控えているアルコールや甘いものを自分自身へのご褒美として時には少量摂取しても問題にはならないだろう。 外科治療や薬物療法は、重度の肥満者に行われているが、適応を医療機関で適切に判断されるべき治療法である。他にアロマセラピー、漢方治療、薬膳、アーユルビューダなどがあげられるが、食事・運動療法を補助する程度の役割に過ぎないだろう。一方で、ダイエットブームの中で根拠のない悪質な薬剤治療も横行しており、一部で死亡者が出たことも記憶に新しい。さまざまな情報にはくれぐれも注意が必要といわざるを得ない。

お話を伺ったのは・・・
廣川 豊(ひろかわ ゆたか)先生
ドクターのクリニック詳細情報
廣川クリニック(医療法人社団豊聖会)
内科, 呼吸器科, アレルギー科, 小児科

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