最終更新日:2024年3月8日
寝ている間に食べてしまう症候群
皆さんの中にも、ひょっとしたら「朝起きたら、食べ物が散らかっている」、「食べた記憶はないが…どうやら食べてたみたい」など経験されたことがある人がいるかもしれません。
睡眠関連摂食障害(SRED)
このように、夜間睡眠中に、「無意識」に摂食行動を繰り返す病態があります。
これを、睡眠関連摂食障害(sleep related eating disorder : SRED)といいます。
SREDは、non-REM睡眠(深い睡眠)からの覚醒障害に類する睡眠障害の一つで、睡眠時随伴症に分類されます。診断基準は下記を参照。
眠ってから3時間以内に起きやすい
SREDは主に入眠後3時間以内に生じる事が多いです。
無意識に食べており、起きた後には睡眠中の食行動について覚えていないことが殆どですが、まれに記憶の一部を少し覚えていることもあります。
基本は、ほぼ無意識状態で食べているのです。
SREDの時に食べてしまうもの
そして、SRED中に食べる内容は、パスタ、ごはん、パン、ポテトチップスなど炭水化物や脂肪を多く含む高カロリーな食べ物が多いという特徴があります。
その他に、アレルギーを生じるためいつも避けている食べ物や、未調理品(解凍していない冷凍食品)を食べてしまうこともあります。
外傷から発覚することも
SRED中は、意識障害のもと調理、移動するため、起きた後、やけどやケガでSREDが判明することもあります。
朝起きたら、食べ物が散らかっており、キッチンには調理をした跡がある。しかし、全くその記憶がない。ビックリですよね。
うつ状態を引き起こすことも
SREDの患者さんの中には、自分が夜間の食行動をコントロール出来ない自己嫌悪から、うつ状態になってしまう人もいます。
原因は様々
このSREDの原因は様々で、ストレスや、喫煙、アルコール、薬物乱用、日中のダイエットなどや、睡眠導入剤、安定剤などの薬で生じることもあります。
治療はまず原因の特定から
治療は、ストレスが原因となっている場合は、そのストレスの特定、軽減が必要です。
環境性や、精神療法などを行い、ストレスの軽減を試みます。
薬剤が原因であれば、その薬剤の減量、中止を行います。
また、改善が見られない場合は、SREDそのものに対して薬物療法を行います。
SSRIや3環系などの抗うつ薬、抗てんかん薬など効果が期待できます。
SREDは、無意識での病態な為、努力と根性では改善困難です。SREDでお悩みの方が、一度ご相談下さい。
SREDの診断基準
- A 不随意的な飲食エピソードが主要睡眠時間帯に繰り返し生じる。
- B 不随意的な飲食エピソードの反復とともに以下の1つ以上が認められる。
-
- 1)食物、非食用の物、毒性を奇妙な形式や組み合わせで口にする。
- 2)摂食エピソードの繰り返しのためもたらされる睡眠分断に関連して不眠が認められ、回復的でない睡眠、日中の疲れ、または眠気を訴える。
- 3)睡眠に関連したケガ。
- 4)食べ物を探したり調理したりする間に危険な行為をする。
- 5)朝の食欲不振。
- 6)高カロリー食品の過食を繰り返すことによる健康への悪影響。
- C この障害は、他の睡眠障害、身体疾患や神経疾患、精神疾患、薬物使用、または物質使用障害で説明できない。
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